2011年1月14日 聖徳大学附属小学校・松山校長インタビュー
 
 
 
 昨年11月19日に聖徳大学附属小学校で開催されました研究発表会に参加しまして、たくさんの授業を参観しました。どの先生も充実した授業をおやりになっていて関心致しました。また、北海道や沖縄からも参加者が来られてメモを取りながらご覧になっていました。熱心で熱意のある研究発表会でした。

 ありがとうございます。わざわざご来校下さり感謝申し上げております。先生方は普通の授業をすることが仕事ですから、それ以外にまとめを作ったり改めてお客様をお呼びして公開授業の準備をするとなると大変です。よくがんばったと思います。

 発表会では電子黒板を上手に活用されていた先生もいました。未来の授業を予感させて興味深かったです。良いツールだと感じましたが意外と普及していないようです。

 本来は、本年度には全国の公立学校に配布される予定だったのです。政策が変わり配置されなくなりました。区と市の教育委員会は新しい機器についての講習会まで開いていたのですから、使いこなせば利用価値の高いものだったのです。従来の黒板よりはるかに機能が高いものなのです。
 ですからこれからの新しい授業スタイルであるとして、教育委員会が率先して電子黒板の使用説明会をどこでも開いて準備していたのですが、取りやめになってしまったのです。本校は私学ですので購入しました。また、東京のように予算にゆとりのある区によっては区の予算で配置し、授業の質を向上させるというところもあります。

 こちらは何台いれておられるのですか。

 必要な教室へ運んでいけるよう低中高学年の各フロアーに1台で、合計3台いれてあります。

 電子黒板はどんな授業に適しているのですか。

 一番いいのは社会科ではないでしょうか。背景となる資料が全部検索できるので社会科が一番活用範囲が広いのではないでしょうか。国語算数は自分たちでプログラムを作って入力していけば動きますが、まだ電子黒板自体にプログラムが無いですから。社会科ですと、たとえば「室町時代」と検索するとたくさんの情報が出てきますし、「足利義満」で検索すると彼の功績ややったことも見ることができます。資料の提示には向いています。
 研究会では1年生の授業で電子黒板を見てもらったのですが、子供たちが映像を見せられるというのは自分たちのイメージを作る上では大事です。
 一番大事なのは自分達で手作業をすることです。たとえば三角形の学習をする時に3種のストローとモールを渡して、「3本のストローで三角形を作ってごらん」と言うと、始めは同じ長さのものにこだわります。正三角形ですね。組み合わせ方によっては2つの辺が等しくて一つが違う、二等辺三角形を作り始めるのです。
 思考錯誤しながら色んな形を作るのですが、作る過程で3本の直線で三角形を作ると言っても3つの辺が等しかったり、2つの辺が等しかったり、全然ばらばらだったり「いろんなものが出来るなあ」という体験を通して子供達は三角形の概念を習得していくわけです。これが一番いいのです。その次に良いのは映像で見せてもらうことです。
 具体的に操作をするとか、映像を使ってイメージを豊かにするとかいうことは子供たちが念頭思考をする時にすごく大事になってきます。

 なるほど体験の大切さがよくわかりました。
 次に私学の良さをお話し下さい。

 昨年11月に私たちの教育をまとめたのもを公立学校の先生方にもご紹介する研究発表会を行いまして、その時に文部科学省や大学の第一線の先生方に来ていただいてシンポジウムをしました。私が本当にうれしかったのですが、シンポジストの方々が口をそろえて「本校には明確な教育のビジョンがある」と仰るわけです。私どもの学校だと礼法とか心を育てるということが中核にあるわけですが、「どのクラスに行っても先生方がきちっと目的を持って教育をしているのが魅力だ」というお話を頂いたのです。これは本当に私学の校長としてうれしいことでした。
 かつて私も公立の校長もしていたのですが、公立には学校の教育目標がありますが、これがすべての学級の先生方に徹底していたかというとそうでもないです。いろいろな先生方がおられていろいろな考え方をお持ちだから先生方の個性におまかせするという部分も強いのです。
 ここは建学の理念がすべての学級に徹底して、そのことは子供を育てる育て方に一貫性があるという意味で本当にうれしく思いました。
 それともう一つは、その背後に先生方が4〜5年後にどこかにおかわりになるということもなく、理念を共有して一貫した教育をして頂いているということです。これが私学の2番目の良さです。
 聖徳祭には今年120名卒業生がお見えになっています。赤ちゃんをだっこしてお越しになる方もいらっしゃいます。その方々がかつての教育の良さを語り、後輩に夢を託していかれることは私学の良さかなと思います。
 一番大事なのは教育内容ですが、先生方が同じ目標で子供たちを見ていますので教育内容も学級によって違いが出てくることは本当に少ないです。特に学校として表現する力とか、学んだことを活用する力とかということをテーマにして教育をしていますが、このことについては常にみんなで研究する場をもってますから、どこのクラスに行っても同じ質の教育を受けることができます。
 そういうことで、私学は教育の理念を持っていることと、先生方が長年同じ気持ちでお勤めになっていることと、教育内容に統一性があることが大きな特長になっています。

 松山先生が司会された研究発表会のシンポジウムで、お名前を忘れたのですが、ある先生が仰ったことで、「大きな風船」が印象にのこっています。「大きな風船と言っても受け取る人によってその大きさの程度がみな違う。言葉は不正確なものです」という趣旨のお話で、「言葉は正確に伝わらない。でも言葉は大切です。そして言葉はトレーニングし勉強すれば良くなります」と3つのポイントを仰ったのが印象深く記憶に残っています。

 高橋先生ですね。国語の専門家です。私が学芸大の附属小学校に勤務していた時にお隣の附属中学校で勤務しておられた先生です。そのころからのお付き合いです。附属小の国語部の先生方が高橋先生にご指導いただいていると言うので来ていただいたのです。
 もう一人のパネラーは坪田先生で、私と同じ学校に勤務しておられたのです。算数では一流の先生で、今年のお正月の朝日新聞の一面に「これからの教育」という記事が載っています。
 高橋先生の大きな風船のお話に国語と算数の違いがすごく出ているように感じました。国語は情緒的で、一人ひとりの人が色んな思いをイメージして成立している教科かなと思いました。だから高橋先生は「言葉はなかなか通じないぞ」と仰った。しかし、数学は通じないでは困ってしまいます。数学は全部使う言葉を定義していきます。そこらが国語と数学の違いかなと思いました。

 言葉を限定しないと数学はわかりませんね。

 「昨日山に登りました。とても楽しかったです」とあったら、国語では「山に上ったのか。そうかどんぐり山にのぼったのかな」と思ういのもいれば、「へえ〜、アルプスにいってきたのかな」と思っても全然平気なのです。
 算数の場合はそうはいかないのです。「今日は山に登った話をしますが、今日の山は2500mです」と定義するのです。
 そういう意味で国語は情緒的で色んなイメージを大事にするが、数学は論理を大事にするわけです。論理を大事にするので一つ一つ定義しておかないとずれてしまうわけですね。

 昨年11月19日は聖徳の先生方の授業を見せていただいただけでなく。算数と国語のちがいを気づかせてもらえるシンポジウムもあり本当に有益な研究発表会だったと思います。
 本日はお忙しいところ貴重なお話有難うございました。

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